鼠径ヘルニア

鼠径ヘルニアとは、鼠径部(太ももの内側の付け根)において、本来お腹の中にあるはずの、腸管、膀胱、子宮、脂肪などが、皮膚のすぐ下に出てきてしまう状態のことです。

鼠径ヘルニア1-3
赤丸で囲んだ部位が鼠径部です。
この症例では、子宮が鼠径部に出てきてしまっていました。

原因は、先天性の異常(遺伝性)、もしくは外傷性に生じるとされていますが、詳しいことは分かっていません。

先天性の異常の場合は、避妊手術をしていない中年齢の女の子、もしくは若い男の子に多く発生すると言われています。ワンちゃんに多く、ネコちゃんでは稀です。

鼠径ヘルニアになったワンちゃんの多くが、あまり痛がったりはしないので、「鼠径部になんだか膨らみがあるかな?」という感じで来院されるか、診察中に気づかれる場合が多いです。

しかし、ヘルニア内部の状態が悪い場合は、痛がる、吐いてしまう、元気がない、おしっこに異常が出てしまうなど、様々な状態が生じ、緊急を要する場合もあります。

症例1
診察時に発見された症例です。
おしっこの後に、少し尿漏れするという症状もありました。

鼠径ヘルニア3 鼠径ヘルニア2
症例1 レントゲン造影写真
膀胱が腹腔内から出てしまって
いるのが分かります。
症例1 手術時の写真
鼠径ヘルニアの中には、膀胱が
入っていました。

症例2
右の下腹部あたりに何かできものができているとのことで来院された症例です。

鼠径ヘルニア4 鼠径ヘルニア5
症例2 レントゲン造影写真
腸が腹腔内から出てしまって
いるのが分かります。
症例2 手術時の写真
鼠径ヘルニアの中には、腸が
入っていました。

鼠径部での膨らみは、ヘルニアの他にも、乳腺の腫瘍などの可能性もあります。

「ワンちゃんは元気だし、少し膨らんでいるくらいなら大丈夫かな」などとは思わずに、
気になったら早めに病院に来てくださいね。

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